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というように、助産師の平均年収が気になる方が多いのではないでしょうか。助産師の年収は、薬剤師や看護師といった他の医療者と比べ高いとされています。

今回は、助産師の平均年収を都道府県や職場別などさまざまな観点から見ていきましょう。年収アップの方法も参考にしてみてください。

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助産師になれるのは女性だけ

助産師は、妊娠から出産後のケアや新生児のサポートを行う専門家です。お産の介助だけでなく、妊婦の食事・運動アドバイスや出産後の体調管理、乳児指導など仕事内容は多岐にわたります。

アメリカやオーストラリア、イギリスなど外国では多くの男性助産院が活躍していますが、日本で助産師になれるのは女性のみです。保健師助産師看護師法では、助産師について下記のように定義されています。

 

保健師助産師看護師法 第一章 第三条
この法律において「助産師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、助産又は妊婦、じよく婦若しくは新生児の保健指導を行うことを業とする女子をいう。

引用:保健師助産師看護師法

女性だけが助産師として認められている理由

産後に行う妊婦への母乳マッサージや身体に触れられることへの不快感など、倫理的な問題が絡むことから男性がかかわることに反対意見が多いといわれています。

また、分娩のときは妊婦の緊張をほぐすことも助産師の大切な役割。相手に安心感を与えられ、リラックスした状態でスムーズにお産を進められるようです。助産師という仕事は、女性であるからこそできることなのかもしれません。

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助産師の平均年収

助産師の平均年収は、400〜500万円です。

公的機関で発表されている助産師の給与に関する情報が少ないため、公益社団法人日本看護協会「2019年病院看護実態調査」を参考に詳しく見ていきましょう。

助産師の最高時給の平均は、1,708円となっています。週5日、1日8時間のフルタイム勤務で考えた場合の月収は、約28万円です。勤続年数や実績、病院規模などによって異なり一概には言えませんが、年収は28万円×12ヶ月=約330万円となります。

さらに年2回、給与3〜4ヶ月分のボーナスが支給されます。月収28万円で給与4ヶ月分×2の賞与を含めると年収は、推定で554万円です。雇用形態や勤務する医療機関の人事評価基準、夜勤の有無、役職などによって大きく異なります。

参考:公益社団法人 日本看護協会「2019年病院看護実態調査」

ちなみに、薬剤師や保健師といった医療者の平均年収は下記の通りです。

 

助産師の年収を他の医療者と比較
薬剤師・・・約400万円
看護師・・・約380万円
保健師・・・約300万円
介護職員・・・約330万円

助産師の初任給

全国約140の国立病院を運営する「独立行政法人国立病院機構」が定めた職員給与規程によれば、助産師の初任給は20万円〜21万円前後です。

さらに、基本給にプラスして以下の手当が支払われます。

 

夜勤手当・・・準夜勤・深夜勤手当て
住居手当・・・27,000円
業績手当(ボーナス)・・・年間基本給の4.2ヶ月分(支給日 6・12月の年2回数)
通勤手当・・・準夜勤タクシー代別途支給

【年齢別】助産師の年収ピークは40〜50代

助産師の年収は、40〜50代にピークを迎えます。20〜30代に結婚・出産といったライフイベント後、育児が落ち着く30代後半に復職する助産師が多いためです。

助産師の働き方は、日勤・夜勤を含む「二交代」、日勤・準夜勤・深夜勤の「三交代」が一般的。肉体的・精神的にも負担がかかることから、育児と仕事を両立できず辞めざるを得ない助産師も多いのが現状です。

最近では、時短勤務の導入や職場に託児所を併設するなど、女性のキャリア形成支援に積極的な施設が増えています。子どもの成長に合わせて時短勤務からフルタイム勤務に切り替えることができれば、キャリアが途切れる心配もありません。

経験を積んで主任や助産師長といった役職に就けば、年収700万円を目指すことも可能です。

【都道府県別】年収1位は東京都

某求人メディアの調査によると、全国で助産師の平均年収がもっとも高いのは東京都の492万円です。次いで奈良県476万円、3位に神奈川県467万円と続きます。全国最下位の熊本県とトップの東京都を比較すると、120万円近い年収差があります。

厚生労働省が発表した「平成30年東京都人口動態統計年報(確定数)」を見ると、東京都での出生数は107,150人と全国1位です。前年より1,840人減少しているものの、就職や進学で上京する若者が多く高い人口増加率を示しています。

東京は、赤ちゃんを取り上げる機会が多く助産師のニーズが高いことから、地方よりも平均年収が高いのではないでしょうか。

参考:平成30年東京都人口動態統計年報(確定数)

【職場別】国立病院は民間病院よりも年収が少し高い

国立病院は、民間病院よりも年収が高い傾向です。国立病院や保健センターなど国立機関で働く助産師は、国家公務員という立ち位置です。そのため、給与は医療職俸給表(三)に基づいて決まります。

医療職俸給表(三)は、等級が1〜7級にわかれ職務内容や勤続年数によって変わります。非管理職の助産師は2級扱いとなり、平均給与は最大で40万円ほどです。ボーナスや役職手当を含めると推定年収は、500〜700万円前後となります。

国立病院は、厚生労働省が決めた団体が母体であることから、福利厚生や休暇制度なども整っており安心です。

 

医療職俸給表(三)とは

人事院規則の規定に基づく、病院や療養所、診療所等に勤務する保健師、助産師、看護師、准看護師その他職員の給与を決める基準となるものです。

等級は1〜7まで振り分けられ、仕事内容な責任の度合いなどによって変わります。

助産師の年収が高い理由

助産師の年収は、薬剤師や看護師など他の医療者に比べてやや高めです。

主な理由として、「2つの免許が必須」「人材不足」の2つが挙げられます。

1.「看護師免許」「助産師免許」2つの資格が必須

助産師になるには「助産師免許」と「看護師免許」、2つの国家資格が必要です。助産師国家試験に合格したとしても、看護師国家資格に不合格だと助産師の免許を受け取れません。

 

助産師になるまでの流れ
  1. 看護師国家試験
  2. 正看護師の資格取得
  3. 助産師養成所入学
  4. 助産師国家試験
  5. 助産師

 

また、自宅出産や水中出産といった出産スタイルが多様化するなか、妊婦の要望に合わせ且つ安全な方法を考える必要があります。出産介助や新生児のケアだけでなく、適切な看護ケアを行う専門知識と臨機応変な対応力が必要不可欠です。

 

助産師が持っていると便利な資格

  • アドバンス助産師
  • 産後ケアリスト(R)(1級・2級)
  • リフレクソロジスト
  • JMFAインストラクター

2.助産師の数が少ない

厚生労働省が発表した「平成30年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」によれば、全国の助産師数は3万6千人となっています。看護師・准看護師が約152万人、保健師が5万人であるのに対して、1割にも満たない状況です。

さらに助産師資格は女性だけしかなれない職種であることも、人材不足を招く大きな原因となっています。

参考:平成30年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況

助産師が年収をアップする方法

夜勤を増やしたり、役職に就いたり、助産師が現在の職場で年収アップする方法を紹介します。待遇面や人間関係に不満があるのであれば、思い切って働く環境を変えてみてはどうでしょうか。

1.夜勤を増やす

病院や助産院で働く助産師にとって、夜勤は避けて通れません。夜勤1回で、基本給にプラスして1回あたり最大で2万円前後の手当てがつきます。夜勤が月に3回あると6万円、5回だと10万円という計算です。

ただし、勤務時間が不規則な夜勤は睡眠不足になったり、寝ても疲れがとれなかったり、体力的にも精神的にも負担がかかります。

収入が上がれば生活は安定しますが、体調を崩して働けなくなっては本末転倒です。無理のない範囲で行いましょう。

2.経験を積んで役職に就く

スキルを磨いて経験を積み、主任や助産師長、部長といった管理職を目指してみてはどうでしょうか。

病院の規模や給与評価基準にもよりますが、主任は1ヶ月あたり1万5千円助産師長になると最大約5万円の役職手当てがつきます。

キャリアアップは簡単ではなく、主任になるには20年以上の経験、助産師長は25年以上の経験が求められる場合は多いようです。

マタニティヨガや母乳外来、栄養士や医師、臨床心理士といった多職種との連携を強化するキャリア研修に受講し、新しいスキルと知識を身に付けましょう。

3.東京都や大阪府、愛知県の病院に転職する

病院内での収入アップが難しいのであれば、思い切って転職するのも1つの方法です。東京や大阪府、愛知県は全国47都道府県のなかでも特に人口が多いエリアといわれています。

地方都市に比べ人口が多い分、助産師のニーズが高く給与が高い設定になっているのかもしれません。働くやりがいよりも給与を優先する方は、東京や大阪、愛知県の助産院に転職することをおすすめします。

4.助産院を開業する

助産院を持つことも、助産師が目指すキャリアの1つです。経営が軌道に乗れば、助産師の平均年収500万円を上回る収入を得られる可能性があります。

ただし独立は、やりたいことに挑戦できる自由と引き換えに、代診がいなかったり収入が安定しづらかったりさまざまなリスクが伴います。

大変な分やりがいも大きく、妊婦の生活指導や新生児の保険指導以外にも、マタニティヨガや産後ダイエット・食生活のアドバイスなどニーズに応じた幅広いサービスの提供が可能です。

年収アップを見込める助産師におすすめ転職エージェント

求職者のサポートが手厚い「レバウェル看護(旧:看護のお仕事)」や日本全国の求人に強い「看護師ワーカー」など、高収入の求人を豊富に取り扱う転職エージェントを紹介します。

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転職エージェントと転職サイトの違い

転職エージェントと転職サイトの一番大きな違いは、転職の進め方です。

転職エージェントでは、求職者一人ひとりに担当者がつきます。プロのカウンセリングを受けながら、キャリアや希望、適性に合った求人を紹介してもらうことが可能です。

転職エージェントを利用すれば、在職中でもスムーズに転職活動を進められます。

転職エージェントと転職サイトのメリット・デメリットは、下記の表を参考にしてみてください。

メリット デメリット
転職エージェント ・非公開求人を多く保有している
・応募書類を添削してもらえる
・待遇面や入社日の交渉などを代行してくれる
・採用市場を熟知したプロのアドバイスを受けられる
・対面or電話での面談が必要
・担当者によって対応にバラつきがある
・希望通りの案件を紹介してもらえない可能性もある
転職サイト ・採用企業と直接やり取りができ、進捗がわかりやすい
・幅広い業界・職種の企業求人を比較できる
・応募から企業とのやり取りまで、すべて自分で行う
・スケジュール管理が難しい
・書類添削や面接対策といったサポートがない

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助産師の転職でよくある疑問

Q1.ベストな転職時期はいつですか?
Q2.転職活動の平均期間はどれくらいですか?
Q3.転職回数が多いと採用合否に影響しますか?
Q4.年齢によって求められる知識やスキルは変わりますか?

Q1.ベストな転職時期はいつですか?

転職活動をするなら、2〜3月と8〜9月をおすすめします。新年度や下半期に向けて組織体制や人員配置を見直す企業が多く、好条件の求人が多く公開される時期です。

企業の採用活動が活発化し、応募が集中して競争が激化する可能性もあります。3月入社を目指すなら前年の12月、8月入社を考えているのであれば6月頃から転職活動を始めましょう。

Q2.転職活動の平均期間はどれくらいですか?

個人差はありますが、助産師の転職期間は1〜5ヶ月程度です。

働きながら求人探しや応募企業との面接日程調整、面接などをすべて一人で行うのは至難の技。転職活動をスムーズに行うのであれば、エージェントを使用した方が良いでしょう。

転職エージェントなら求人紹介から入社日の調整など、求職者のサポート体制が整っています。企業の公式ホームページや求人転職サイトには掲載していない、非公開求人を多数保有しているのもエージェントの特徴です。

非公開求人とは
転職エージェントだけが独自に保有している求人のことです。
非公開求人は、従来の転職サイトや求人情報誌には掲載されていません。公開求人よりも倍率が低く、内定を獲得できる可能性が高くなります。

Q3.転職回数が多いと採用合否に影響しますか?

転職回数が必ずしも選考に影響するとは限りません。

「転職理由を教えてください」という質問に対しキャリアの一貫性を主張することで、面接官に対しポジティブな印象を与えられます。「仕事内容と給与が見合わない」「上司と合わない」など、環境や周囲に責任を押し付けるような発言は絶対に避けましょう。

ちなみに、20代で転職回数が多いと採用合否に影響する場合もあります。転職回数が3回以上になると、「辞めぐせがついている」「仕事が長続きしない」とマイナス評価になることもあるようです。

Q4.年齢によって求められる知識やスキルは変わりますか?

企業が求めるスキルや能力は、年齢によって異なります。

業界・職種に関係なく、20代であればポテンシャルや成長意欲、即戦力採用となる30代は実務経験やスキルの高さ、そして40代に入るとマネジメント能力を重視した採用活動を行うのが一般的です。

闇雲に転職活動を行うのではなく、資格を取得したり、スキルを磨いたり、自分のアピールポイントを見つけましょう。

助産師の年収 まとめ

少子高齢化が進む一方で日本では、人手不足が原因で助産師の需要は年々高まっています。

妊婦の気持ちに寄り添い、体調管理やメンタルケア、授乳指導といったきめ細やかなサポートを行えるのも、女性だからこそできることではないでしょうか。

二交代や三交代など勤務時間が変則的で激務ではありますが、他の医療者よりも高い収入を得られ安定した生活を送れます。

助産師の年収まとめ

  • 薬剤師や看護師、保健師に比べて年収が90〜100万円ほど高い
  • 夜勤・深夜勤手当が高い
  • 主任や助産師長になれば年収700万円以上を目指せる

この記事で紹介した転職エージェント以外のサービスを知りたい方は、「看護師におすすめの転職エージェント9選|目的別に徹底比較」も一緒にご覧ください。

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